睡眠時無呼吸症候群口腔内装置治療
睡眠時無呼吸症候群とは・・・
SAS(Sleep Apnea Syndorome)と呼ばれ、寝ているときに呼吸が止まり大きないびきを繰り返す病気です。高血圧、不整脈、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞らの循環器疾患との関連も指摘されています。
また日中の眠気による交通事故、労働災害、仕事や学業の低下など、社会的な問題も懸念される病気です。睡眠中に無呼吸(10秒以上の呼吸停止)を繰り返す病気で呼吸を司る脳の中枢機能が低下しておこる中枢型と上気道が閉塞する閉塞型があります。
日本人の1〜2%が睡眠時無呼吸症候群であるとされ、症状は習慣的な強いいびきや、日中の強い眠気が特徴です。仕事中など眠ってしまう人もいます。ただうるさいいびきと違いますので、ご家族の気付きも大切です。
通常の呼吸
気道が開いていて空気が自由に流れています。
閉塞型睡眠時無呼吸症候群
上気道が閉塞し空気の流れが妨げられています。
閉塞型はSASのなかで一番多いタイプで閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)といわれます。この疾患は無呼吸の状態の時に胸とお腹の呼吸動作をしているのに、気道が塞がっているので空気が出入りできなくなるものです。
肥満、小さな下あご、扁桃腺、筋力の低下などが原因で舌根が沈下して無呼吸となります。いびきは無呼吸後、呼吸が再開されると起こります。大きないびきで数回呼吸した後、無呼吸の状態になることが繰り返されます。
治療にはまず医科の病院で検査を
OSASは日中の眠気を繰り返すだけでなく、高血圧症、心不全、脳血管障害の合併症を引き起こす可能性もあります。医科の病院に一泊して睡眠中の呼吸の診断(終夜ポリグラフ検査)をし、その結果に応じて治療方法を選びます。
治療方法には、
①呼吸器内科のnasal-C-pap(睡眠時に空気を送り込む装置)
②耳鼻咽喉科の手術療法(気道を確保するための手術)
③歯科による口腔内装置治療(下顎を前方に固定するマウスピース)
があります。
当クリニックで行うのは口腔内装置治療
3つの治療法のうち、口腔内装置治療は下あごを前方に固定し、上咽頭部(のどもと)が塞がって空気が通じなってしまうことを防ぎます。また寝ている時に口が開くことを抑え、鼻呼吸に導く効果があります。
口腔内装置の装着
下あごが上方に固定され空気が通るようになります。
口腔内装置(マウスピース)
口腔内装置治療はいびき症や軽症・中等症OSASに適しているほか、中等症・重症OSASでnasal-C-PAP療法が適用できなかった患者さん、または出張・旅行用に処方されます。副作用は歯・あごの違和感・疼痛などが考えられますが、それほど強くありません。
口腔内装置は保険適用の治療です。
当院では平成12年よりこの治療を行っており症例は現在で約1,500症例となっています。呼吸器内科・耳鼻咽喉科などの先生からご紹介頂いた患者さんが保険適用となります。
閉塞型睡眠時無呼吸症候群の3つの治療法
① 呼吸器内科
nasal-C-PAP療法
② 耳鼻咽喉科
軟口蓋・扁桃腺手術療法
鼻閉の治療
③ 歯科・・当クリニックでの治療
口腔内装置治療(マウスピース)
1回目/検査・印象採得
2回目/仮装着(仮固定)
3回目/本装置装着・報告書
(必要があれば仮固定を調整)
これらの連携医療にて閉塞型睡眠時無呼吸症候群の治療が行われております。口腔内装置の治療効果はC-PAP療法の50~70%程度となります。(個人差はあります)
口腔内装置治療をご希望の方は遠慮なくお問い合わせください。
閉塞性睡眠時無呼吸に対する口腔内装置に関する診療ガイドライン(装置の作製に関するテクニカルアプレイザル:2020年版)
閉塞性睡眠時無呼吸症に対する口腔内装置に関する診療ガイドライン(2017年改訂版)