むし歯の謎
なぜ虫歯はできるの?
私たちの歯は表面がエナメル質でできていて、その中に象牙質、さらに神経がある構造になっています。エナメル質は体の中で一番硬い組織です。でもこのエナメル質は虫歯菌の出す酸や、すっぱい食べ物・砂糖入り飲み物が苦手で、これらに触れると溶け始めてしまいます。それを繰り返していくとむし歯になり穴が開いてしまうのです。
そもそもむし歯は歯の質、細菌、食べ物(糖質)の「3つの要素」と「時間の経過」が加わってできています。むし歯菌の主なものはミュータンス菌です。この菌はネバネバしたものを作り出し歯垢(プラーク)となります。そして栄養を取り込んで酸を出し歯が溶けてしまいます。特に砂糖を含む食べ物や飲み物が虫歯の発生に影響を与えます。
むし歯が進み痛みが強くなると歯の神経を取らなければなりません。神経の治療をすると、その歯はばい菌がたまったり歯が割れてしまったりなど寿命が短くなってしまいます。できるだけ神経を残してあげたほうが歯の寿命は長くなるのです。
何を食べても歯は毎日溶けている!?
私たちの歯は毎日溶け、そして元に戻るということを繰り返しています。お口の中では食べる前は弱アルカリ性です。そして食べ物(糖質)を取り込んで1分もすると、酸性に傾き始めます。お口が酸性になると、歯は溶け始めますが、食後30分から1時間するとお口の中はだんだん弱アルカリ性へと戻り、溶けた歯を修復いたします。
しかし間食が多かったり、常にジュースなどを摂り続けると、このバランスが崩れてしまいむし歯になりやすくなります。ですからデザートも食後すぐ食べて、お口の中を休ませる(弱アルカリ性へ戻す)ことが大切です。その�うえで食後(20分くらいしたら)歯磨きをすることがむし歯を作らない予防策になります。
むし歯以外の症状と予防法
Case1. 知覚過敏症
むし歯ができていなくても歯ブラシで磨いている時や、冷たい水でうがいをした時にしみることがあります。これを知覚過敏症といいます。実は主な原因は歯ぎしり(睡眠時)です。力で歯の根元のエナメル質が欠けてしみるようになります。少し欠けた時はセメントを詰めます。また歯磨きが強くても起こる場合があります。ブラシで歯茎が傷つくことで、下がって根っこが露出してしまうからです。強い横磨きではなく、細かく力を抜いたブラッシングがおすすめです。
Case.2 酸蝕症(さんしょくしょう)
毎日黒酢などを飲んでいたり、グレープフルーツや柑橘類を欠かさず食べていると、歯が白濁したり、薄くなったり、欠けてギザギザになったりします。これが酸蝕症です。果物や酢は健康に良いものですからお食事として一緒にとるといいでしょう。また酸が口の中に残らないように水やお茶で口の中をすすぐ事も効果的です。
下記に心当たりがある方は要注意!
Case3. 口腔乾燥
年齢が高くなってくると唾液の分泌が少なくなってきます。普段電話でお話ししている時や、就寝時にお口がすごく乾くようになりませんか?唾液腺の働きが弱くなりお口が乾燥するからです。また、シェーグレン症候群という唾液腺や涙腺の働きが弱くなる病気もあります。予防するには普段からよく噛むことや、お顔のマッサージ(唾液腺マッサージ)などに効果的です。
唾液腺マッサージ
代表的な唾液腺は3つあり、頬と顎の後ろ、顎の前をマッサージしてあげます。食事の後やお風呂に入った時にしてあげると効果的です。また食事で咀嚼回数を意識して多くする事も唾液腺の刺激につながります。
おやつの取り方
ジュン歯科おすすめ
おやつを子供が手の届くところに常にある環境は一番良くありません。学校から帰ってきたらだらだら食べるのではなく1回でおやつとすることがいいと思います。
おやつは体の成長に大切なものです。お砂糖の入っていないお煎餅やサツマイモ、おにぎりなど(天然のもので添加物が入っていないもの)がおすすめです。するめや野菜ステックなどはとてもいいですね。