OSAに対する口腔内装置治療 - 現状と治療後の効果確認
對木悟
神経研究所研究部睡眠学研究室
医学のあゆみ 268(8): 645-648, 2019.
口腔内装置 (OA) は口腔内に装着し, 下顎または舌を前方位で維持することにより上気道閉塞を防止する歯科的装置である. おもに下顎前方移動型のOAが選択され, 軽症から中等症の閉塞性睡眠時無呼吸 (OSA) や, 持続陽圧呼吸療法 (CPAP) 脱落者へ用いられる. OSA治療においては, OAとCPAPそれぞれの適応や長所・短所を理解したうえで使い分けることが重要であり, CPAPの保険適用基準に満たない軽症OSA患者を未治療の状態で放置せず, OAを用いて日中の過眠をはじめとするOSA症状を適切にコントロールし, かつOSAを重症化させないことが肝要である. 実際にOA治療を行うのは歯科医師であるため, 密接な医歯連携のもとで専門歯科医師が装置選択と治療を担当し, 治療効果の確認は終夜ポリグラフ検査 (PSG) により客観的に行う.